「唯識」とは、4世紀インドで生まれた大乗仏教の一派により唱えられた仏教の思想です。
この思想は、私たちが見たり聞いたりするすべての物事や存在は私たちの頭の中で作り出されたものであるという考え方です。
本記事では、私たちの意識が現実をつくりだすという「唯識」についてわかりやすく解説します。
ものではなく意識
ただ、意識があるだけ
唯識とは何か
大乗仏教の教えの一つ
唯識とは、4世紀初めにインドで生まれました。
大乗仏教の一派により唱えられた思想体系です。
大乗仏教は、従来からユーラシア大陸の中央部から東部で信仰されてきた仏教の一派です。
出家者だけでなく、全ての生きとし生けるものの救済を目的とした宗派の総称で、単一の宗派を指しているわけではありません。
唯識の教えとは
- すべては心の中のできごと
- 自分・物などは存在しない
- あるのはただ心(識)のみ
- 心の他には何もない
唯識論とは
成唯識論(じょうゆいしきろん)の略。
現実に存在するものは全て識によって捉えられ、識によって顕現するという考え方を基盤としています。
成唯識論は「唯識により願いを叶えるための論」という意味よ
唯識の思想・特徴
すべてのものは自己の認識(イメージ)に過ぎない、という考え方です。
個人やあらゆる存在は、唯一つの「識」と呼ばれるものの八つの状態(八識)によって構成されている、というのが大乗仏教の見解です。
ただの「認識」にすぎない
唯(ただ)、8種類の識(八識)によって成り立っている。 すべてのものは自己の認識(イメージ)に過ぎない。
8種類の識「八識」とは
【五種の感覚】と【意識】と【2層の無意識】によって成り立っています。
これらの識は、それぞれが特定の感覚器官や心の働きを担当し、認識する対象が異なります。
五種の感覚
五種の感覚を総称して「前五識」といいます。
- 視覚(眼識):目からの視覚刺激を受け取り、物を見るための識です。
- 聴覚(耳識):耳からの音の刺激を受け取り、聞くための識です。
- 嗅覚(鼻識):鼻からの匂いの刺激を受け取り、匂いを嗅ぐための識です。
- 味覚(舌識):口からの味の刺激を受け取り、味を感じるための識です。
- 触覚(身識):体の表面からの触覚刺激を受け取り、物に触れることを感じるための識です。
意識
第六意識(自覚的意識)
第六意識は、意識のことです。
前五識が得た情報をもとに、総合的な判断を行い、物事を認識する重要な機能を担っています。
意識のよりどころである意根(いこん)を通じて、過去・現在・未来、幅広い対象を認識することができるため、「広縁の識」とも呼ばれています。
前五識と意識を合わせて六識または現行(げんぎょう)といいます
2層の無意識
末那識(まなしき)
潜在意識のこと。
末那識(まなしき)は、仏教において説かれる8つの識のうち第7番目にあたります。
前五識(①眼②耳③鼻④舌⑤身)⑥意識、の次である第7番目に位置する識です。
自己の意識や思考を司るとされます。
阿頼耶識(あらやしき, ālaya-vijñāna)
阿頼耶識は瑜伽行唯識学派(ゆがぎょうゆいしきがくは)独自の概念。
阿頼耶(あらやしき)は、仏教において説かれる8つの識のうち第8番目にあたります。
前五識(①眼②耳③鼻④舌⑤身)⑥意識⑦末那識、の次である第8番目に位置する識です。
阿頼耶識の特徴
- 阿頼耶識は「瑜伽行唯識学派」独自の概念
- 通常は意識されない根源的な識とされる
- 眼識、耳識、鼻識、舌識、身識、意識、末那識、そして阿頼耶識の8つの識の一つ
- 8つの識の中で阿頼耶識は最も深い位置にある
- 阿頼耶識は、アラヤ識・アーラヤ識とも呼ばれる。
- 阿頼耶識は、善業によって清められ、悪業によって濁る
- 阿頼耶識は、通常は意識されないが、瞑想によって意識されることができる
阿頼耶識が濁れば、その人の世界も汚れて暗くなる。
すべての物事は、心の深層にある阿頼耶識から生じると考えられます。
この阿頼耶識は、善業によって清められ、悪業によって濁ります。
阿頼耶識が濁れば、その人の世界も汚れて暗くなるでしょう。
したがって、良い行いをすることは、自分の世界を清め、自己成長にも繋がります。
自分自身のためにも、良い行いをすることが大切です。
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まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。