アルコールを飲まないといられなくなってしまう「アルコール依存症」は、体にも心にも深刻な影響を及ぼします。
依存症は、アルコールを飲み始めると止められない、強い渇望や依存心がある、そしてアルコールによって損害を受ける体や心、行動の症状を引き起こします。
しかし、依存症からの回復は可能です。今回は、アルコール依存症の体、心、行動上の各症状と、それぞれの対策法について詳しく解説していきます。
飲みはじめは楽しい
飲むと人が変わる
アルコール依存症の定義や原因
アルコール依存症とは
アルコール依存症とは、アルコールに対して身体的・精神的な依存が生じ、飲酒を制御できなくなる状態を指します。
アルコール依存症は、慢性的な疾患であり、多くの場合、アルコールの常用によって身体や精神に深刻な障害が生じます。
アルコール依存症の原因
アルコール依存症の原因は、複数の要因が絡み合っていると考えられています。
以下は、アルコール依存症の原因として挙げられるものの一例です。
- 遺伝的要因
アルコール依存症の発症には、遺伝的要因が関与することが知られています。遺伝子の変異によって、アルコールを代謝する能力が低下し、アルコール依存症のリスクが高まると考えられています。 - 環境的要因
ストレス、家庭内の問題、職場でのストレス、交友関係の問題、身体的な疾患など、環境的要因もアルコール依存症の原因になることがあります。 - 心理的要因
アルコール依存症は、うつ病や不安障害などの精神疾患と密接な関係があることが知られています。また、人格障害や自己効力感の低下、依存性の高い性格などもアルコール依存症の原因として挙げられます。 - 生活習慣的要因
長期間の大量飲酒や頻繁な飲酒、またはアルコールとともに喫煙するなどの生活習慣も、アルコール依存症の原因として考えられます。 - 薬物乱用
アルコール依存症は、他の薬物乱用と関連していることがあります。アルコール依存症の人は、しばしば他の薬物を乱用する傾向があります。 - 生物学的要因
脳内の神経伝達物質の異常、特にドーパミンの過剰分泌は、アルコール依存症の発症に関与することが知られています。
体の症状
飲み始めると止められない
アルコール依存症の人は、アルコールを飲み始めると止められず、制御できなくなることがあります。飲酒欲求が強く、飲酒に対する制御不能感があるため、飲み続けてしまうことが多いです。
吐くまで飲む
アルコール依存症の人は、度を超えた大量のアルコールを摂取することがあります。
吐き気やめまいを感じても、自分で飲む量を抑えられず、吐いてもまた飲み続けることがあります。
手が震える
アルコール依存症の人は、アルコールを摂取しないと手が震えることがあります。これは、アルコール依存症による神経障害によるもので、アルコールの消費量が多いほど、症状が悪化することがあります。
飲み物をこぼす
アルコール依存症の人は、手の震えや体のバランス感覚の悪化などから、飲み物をこぼすことがあります。また、酔いが回っている状態で、周りに迷惑をかけたり、物を壊したりすることがあります。
二日酔い
アルコール依存症の人は、度を超えたアルコールの摂取によって、二日酔いの症状が重くなることがあります。頭痛、吐き気、嘔吐、めまい、食欲不振などの症状が長時間続くことがあります。
肝臓や膵臓、胃腸が弱い
アルコール依存症の人は、長期間のアルコール摂取によって、肝臓や膵臓、胃腸などの消化器官に悪影響を与えることがあります。
肝炎、膵炎、胃炎、胃潰瘍、食道がんなどの病気を引き起こすことがあります。
また、アルコール依存症の人は、食欲不振や栄養不足に陥り、体調が悪化することがあります。
心理的な症状
アルコールがないとやってられない
アルコール依存症の人は、アルコールがないと不安を感じたり、普段の生活を送ることができなくなることがあります。
これは、アルコールに対する強い依存性があるためです。
飲まないとイライラや不安になる
アルコール依存症の人は、アルコールを飲まないと、イライラや不安感を感じることがあります。
これは、アルコール依存症による神経障害や脳内物質の変化によるものです。
飲み過ぎた後、罪悪感や後悔を感じる
アルコール依存症の人は、飲み過ぎた後、罪悪感や後悔を感じることがあります。
自分の行動に責任を感じたり、周りに迷惑をかけたと感じたりするためです。
アルコールはほどほどに!
人間関係に問題が生じている
アルコール依存症の人は、アルコールによって人間関係に問題が生じることがあります。
たとえば、飲酒によって暴力的になったり、誰に対しても攻撃的になったりするためです。
また、アルコール依存症によって、家族や友人から孤立することがあるため、孤独感やうつ病などの精神的な症状が現れることがあります。
行動上の症状
仕事や学業、家庭の責務を放棄することがある
アルコール依存症の人は、アルコールに夢中になりすぎて、仕事や学業、家庭の責務を放棄してしまうことがあります。
このため、職場や学校、家庭内でトラブルが生じることがあります。
飲みすぎた状態で車を運転する
飲んだら絶対に運転しない!
アルコール依存症の人は、飲みすぎた状態で車を運転することがあります。
これは、判断力や反応速度が低下しているため、交通事故を起こす危険性が高くなるためです。
記憶がない・認知症
アルコール依存症の人は、飲み過ぎると記憶がなくなることがあります。
また、長期間アルコールを摂取し続けると、脳にダメージが生じ、認知症を発症することがあります。
人を殴ったり怒ったりする
アルコール依存症の人は、アルコールによって感情が不安定になり、人を殴ったり怒ったりすることがあります。
また、アルコールによって判断力が低下するため、暴力的な行動をとってしまうことがあります。
アルコール依存症の対策
自助グループに参加
自助グループとは、同じような苦しみを抱えた人たちが集まり、お互いに支え合い、励まし合いながら、問題の解決や克服を目指すための活動グループです。
アルコール依存症の人々が集まる自助グループに参加することで、同じ悩みを持つ人たちと情報交換や支援を得ることができます。
アルコール依存症治療薬を服用
医師の指示のもとでアルコール依存症治療薬を服用することで、アルコールへの渇望を抑えることができます。
断酒宣言する
周囲の人々に自分のアルコール依存症を打ち明け、断酒することを明言することで、自分自身の意志を強めることができます。
飲み会に行かない
飲酒をする機会があった場合、自分自身がアルコール依存症であることを再認識し、断酒することを決意することが必要です。
健康意識を高める
適度な運動、バランスのとれた食事、良質な睡眠、禁煙する、ストレスを溜めない、など健康意識を高めるましょう。健康意識が高まることで、健康的な生活習慣を身につけ、アルコール依存症を予防・改善することができます。
十分な休養
疲労し過ぎることがアルコール依存症に陥るリスクを高めるため、十分な休養を心がけることが必要です。
「そろそろ、お酒やめようかな」と思ったときに読む本
アルコール依存症の方におすすめの本です。
中田敦彦のYouTube大学 – NAKATA UNIVERSITYで紹介されていた本。
アルコール依存症になってしまっても、深刻に考えてしまうことはあまり効果的ではありません。
むしろ、前向きに考えることが重要です。
中田敦彦さんのYouTube大学 NAKATA UNIVERSITYで紹介されました。 「そろそろ、お酒やめようかな」と思ったときに読む本 を読んでお酒をやめることができたそうです。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。