やさしい歌、ささやく歌、激しく強い歌、いろんな曲にあわせて声色も変えられたら最高ですよね。歌のものまねで有名な荒牧陽子さん、ミラクルひかるさんたちは同じ人が歌っているとは思えないくらい声が自由自在です。
曲のイメージに合わせて歌いたい
あこがれのあの人の歌い方に近づきたい
発声にはたくさんの種類がありますが、この記事では主な発声方法を7つにまとめました。この7つが身に付いたら、表現力・歌唱力が格段にアップします。
チェストボイス:胸声
特徴
チェストボイスは、胸に響かせる、地声に近い自然な発声のことをいいます。しっかりと安定して力強い声が特徴です。
音域
低~中音域
体感
普段しゃべる時の声、地声。
出し方のポイント
声帯はほぼ閉じた状態(息漏れしない状態)で喉を開いて歌いましょう。胸にむかって声を落とすイメージがよいでしょう。
声帯・・・声帯は発声するための器官。左右2本のヒダ状になっています。 声帯閉鎖・・・「あー」と発声しながらピタリと息を止めることで声帯が閉じます。
声帯閉鎖をマスターすると、息の量・スピードコントロールが可能になります。また、音程が安定し、響きのきれいな高音が出せるようになります。
ヘッドボイス:頭声
特徴
ヘッドボイスは、高音を頭に響かせて歌う裏声の一つ。輪郭のあるハッキリとした印象の高音になります。オペラ歌手やソプラノ歌手の発声法です。
音域
高音域
体感
頭の先から声が出ている(頭の先が響く)イメージ。息はほとんど出ていないです。
出し方のポイント
声帯の3分の2を閉じて歌う「息漏れ感を減らす」イメージです。喉を大きく開けて歌いましょう。息を吐く量がすくないので省エネで歌えます。確認方法は、ティッシュを口の前に垂らすように持って発声してチェックしましょう。
ミドルボイス:ミックスボイス
特徴
ミドルボイスはミックスボイスとも言われ、地声(チェストボイス)と裏声(ファルセット)の中間のような声です。裏声よりも力強い発声になります。
音域
低~高音域
体感
音の高さによって眉間から頭のてっぺんくらいに振動や響きを感じる
出し方のポイント
ミックスボイスは、声帯を締めて・喉を開いて歌い・鼻腔共鳴で響かせた声いましょう。「電話に出る時の声」をイメージしましょう。電話で他人と話すとき、よそいきの声(地声より高い)になりますよね、そのイメージです。
喉と声帯の違い 喉は、喉周りや、喉の中の空洞(気道、気管)です。 声帯は、発声するための器官。左右2本のヒダ状になっています。
ファルセットボイス
特徴
ファルセットボイスは裏声ともいわれます。高いピッチに対応するために声色を作り出す発声技術。息漏れが多い発声法なので、やさしい感じを出せる。
- 高声を出しやすい
- 起声(声の出し始めの瞬間)が弱い
- 喉の負担が小さい
- 息の量を多く使って発声
ファルセットで歌うと、高いキーの歌でも尖った印象がなく、優しい響きになります。そのイメージで声を出し、いろいろなキーの音を出してみてください。
音域
低~高音域
体感
息の量が多く、音量が小さい
出し方のポイント
綾香の「三日月」という曲中の「no more cry」の部分や、宇多田ヒカルの「First Love」のイントロ部分「no~no~」がファルセットの発声法です。息とともに、ふわっと声が出ている感じです。
ファルセットとはイタリア語(falsetto)で、「仮声」と訳されることもあります。
ホイッスルボイス
特徴
ホイッスルボイスとは笛の音のようなのこと声です。目が覚めるような高音が特徴です。ホイッスル・ボイスで歌える歌手は、ミニー・リバートンの「Loving you」、MISIAの「つつみ込むように」、マライアキャリーなどが有名です。
音域
笛の高音
体感
笛みたいな高音がでる
出し方のポイント
声門をほぼ閉じた状態で、声帯をわずかに震わせて発声します。特殊な発声方法であるため、声門のコントロールに慣れることが必要です。ホイッスルボイスは声門を閉めて発声するため、声帯への負担が大きく、痛める可能性があるので練習しすぎに注意しましょう。
声門・・・声帯の左右2本のヒダの間にある、息の通る狭いすきま
ウィスパーボイス
特徴
ウィスパーボイスとはささやく声という意味です。
音域
中~高音域
体感
声よりもため息が多い。喉の奥が広がっている。羽のようなフワッとした声。
出し方のポイント
息をたくさん吐きながら歌いましょう。寒いときに「はぁ~」と手を温める感じで息を吐いてみましょう。その感覚がつかめたら、その息とともに声(ヒソヒソ話みたいに)を出していきます。
ハスキーボイス
特徴
ハスキーボイスとは、しゃがれごえ・かすれ声です。声にノイズや倍音がある、独特で深みのある声です。
音域
低~高音
体感
息が漏れているような感覚
出し方のポイント
声帯をゆるく閉じて、開いたところから息を漏らしながら声を出してください。声帯が完全に閉じていると、息が漏れないのでハスキーな声になりません。息が混じることにより、ノイズが出てしゃがれたハスキーボイスになります。
倍音・・・基本となる音(基音)の上に重なるたくさんの音。
以上が7種類の発声方法となります。いろんな声を使い分けられるようになれば、抑揚・切なさ・強さ・やさしさ・色っぽさなど声色自由自在。ぜひチャレンジしてみてくださいね!
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。