2023年3月31日、イタリアのデータ保護当局は、情報を不適切に収集・保存しているとして、米オープンAIが開発した対話型AIチャットボット「ChatGPT」を一時的に使用禁止することを明らかにしました。
「アルゴリズムの訓練のため」として蓄積されたデータの利用に関して、法的根拠が不十分との見方が示されました。
適切な方法で高度なAI技術を活用するための議論が繰り広げられるようです。
今回の禁止措置について、その背景やAI技術の今後について考えてみましょう。
日本にも影響あるの?
便利だからやめないでほしい
ChatGPTがイタリアで一時的に使用禁止
2023年3月31日、イタリア当局は、オープンAIが開発した対話型AI「ChatGPT」の使用を一時的に禁止すると発表しました。
西側では初めての規制
「ChatGPT」は既に北朝鮮、イラン、中国、ロシアなどでの利用がブロックされていますが、今回の規制は西側の政府による初の規制となります。
使用禁止の理由
- アルゴリズム訓練のためのデータ収集に法的根拠が不十分
- 13歳未満の使用を防ぐための年齢確認システムがない
- AIが悪用される可能性がある
- 個人情報の漏えいなどのリスクがある
- AI技術の利用に関する規制が整備されていない
- 適切な利用方法を模索するための議論が不十分
おもな理由は、欧州連合(EU)の法令「一般データ保護規則」(GDPR)を順守しているか調査をするためとしています。
個人情報保護が優先
一般データ保護規則(GDPR)とは
GDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)は、2018年5月25日に施行された欧州連合(EU)の個人データ保護に関する法令です。
EU域内の個人データの収集、処理、保管、および転送に関する規制を統一しました。
GDPRは、EU市民の個人データを保護することを目的としており、個人データの収集、処理、保管、および転送に関する規制を統一し、EU市民の個人データを保護することを目的としています。
イーロン・マスク氏らが公開書簡に署名
3月28日、米電気自動車(EV)大手テスラ最高経営責任者(CEO)イーロン・マスク氏や、米コンピュータ・エンジニアのスティーブン・ウォズニアク氏などが、ChatGPTは社会に危険を及ぼす可能性が高いとして「Future of Life Institute」という非営利団体がまとめた公開書簡に署名しました。
この公開書簡は、人間と同じくらい高知能を持つAIシステムが社会と人類にとってリスクをもたらす可能性があることを指摘しています。
計画的な制御が確立されるまで、OpenAI社が2023年3月に公開した最新のGPT-4よりも強力なAIシステムの訓練を少なくとも6カ月は停止するよう呼びかけました。
個人情報保護・信頼性が最優先
AI技術の利用はますます進化し、様々な分野で活用されていますが、その中でも最も重要なことは、適切な範囲でのサービス提供と、法令や規制の遵守です。
利用者にとって価値のあるサービスを提供するためには、適切な規制と監督が必要であり、企業側もその規制に従って運営を行うことが求められます。
今後もAI技術の利用に関する議論は進むでしょうが、利用者にとって安全で信頼性の高いサービスを提供することが最優先されるべきです。
日本でも利用禁止になるのかは不明
日本も利用禁止の可能性あり
日本でもChatGPTが利用禁止になるかどうかは不明ですが、西側の政府による規制があったことから、日本でも同様の措置が取られる可能性はあります。
ただし、具体的な措置がとられるかどうかは、今後の状況次第となります。
AI技術の進歩は止められない
ChatGPTの利用が禁止されたり、差し止め要請が出されたりしたことで、AI技術の発展が阻害されることはなく、適切な利用方法を模索するための議論が重要であるとの見方もあります。
将来的にもAI技術は発展し続け、その利用方法について議論が続くことが予想されます。
私たちは、適切な範囲内でのサービス提供や、法令や規制の遵守を最優先に考え、利用者に価値あるサービスを提供するために努めていきます。
これからも使い続けたい!
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。