「あの仕事の面接は、どうだったかな?」
「明日の天気はどうなるか心配だな」
「もしかしたら、彼女に嫌われたかもしれない…」。
私たちは、日々さまざまな心配を抱えて生きています。
しかし、その多くは起こっていないことを心配していることに気付いたことはありますか?
この記事では、私たちがなぜ未来を心配してしまうのか、その原因と対処法について考えてみましょう。
もし○○したらどうしよう
もし来なかったらどうしよう
不安の原因となる心理的メカニズム
過去のトラウマやストレス
過去に経験したトラウマやストレスが、現在の状況に対する不安や心配を引き起こすことがあります。
過去の経験が、現在の判断や予測に影響を与えることがあるためです。
現在の状況に対する不確実性
現在の状況が不確定なままである場合、不安や心配を引き起こすことがあります。不確定性が高まると、不安感も高まる傾向があります。
個人的な価値観や信念
自分の価値観や信念に合わない状況や出来事が起きると、不安を感じることがあります。自分自身や周囲の人たちが、自分の価値観や信念に反する行動をする場合も、不安感を引き起こすことがあります。
社会的な圧力
社会的な圧力により、他人からの評価や批判に対する不安や心配が生じることがあります。特に、自分自身や周囲の人たちと比較して、自分が十分でないと感じる場合に、不安感が高まることがあります。
神経生物学的な観点から
不安が引き起こされる脳の領域や神経伝達物質には、セロトニン、ノルアドレナリン、GABA(γ-アミノ酪酸)、グルタミン酸、ドーパミンなどが含まれます。これらの物質や神経回路の働きに変化が生じることで、不安が引き起こされることがあります。
不安の原因となる心理的メカニズムは多岐に渡ります。それぞれの原因に応じて、異なるアプローチが必要となります。不安に悩む人は、自分がどのような原因から不安を感じているのかを理解し、それに対する対処法を見つけることが大切です。
不安の種類
社会不安障害(社会恐怖)
社会不安障害は、人前で注目されたり、人が多くいる場所に行くことに強い恐怖心を感じる病気です。
原因としては、失敗や恥ずかしい思いをした経験から来ることもあれば、自分自身の価値を認められずに自信を持てないことからくることもあります。
社会不安障害を抱える人は、自分でも恐怖心が過剰なことをわかっていても、その気持ちを抑えることができず、徐々に外出や人と会うことを避けるようになります。
全般性不安障害
長期にわたって、学校や家族、友達、生活に関することが心配で極度の不安状態に陥ることがあります。そのため、集中できず、イライラして疲れやすく、筋肉が緊張し、眠りにくくなるなどの症状が現れることがあります。
強迫性障害
自分でもつまらないことだとわかっているにも関わらず、ある特定の行動を繰り返し行わなければ不安でたまらなくなるのが「強迫行為」です。
- 手を洗い続ける
- 火の元や戸締りを何度も確認する
- 階段や電信柱など気になった数や、頭に浮かんだ数字を数え続ける
このような強迫行為は、時間を必要以上に費やしてしまい、学校や日常生活に支障をきたすことがあります。自分で不合理だと分かっていても、やめられないというのが特徴的です。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)
過去のトラウマ体験からくる心理的ストレスによる症状
不安をとりのぞく治療法
不安障害の治療には、薬物療法とカウンセリングが主な方法となります。
本
不安障害の本は、専門家によるアドバイスや体験談、自己啓発など、多様な内容が含まれています。
不安障害についての理解が深まり、自分自身の状況を客観的に見ることができ、心の負担が軽減される場合もあります。
「あ、この本のタイトルが好き」「これ、自分が探してた本かも」と、第六感でピンときたら直感で選んでみるのもオススメです。
認知行動療法で「なりたい自分」になる: スッキリマインドのためのセルフケアワーク 単行本
パニック障害 大丈夫! かならずよくなる: ひとりでできて不安がスーッと軽くなる画期的メソッド 単行本
パニくる!? パニック障害、「焦らない!」が効くクスリ。 Kindle版
薬物療法
薬物療法では、抗うつ薬や抗不安薬、睡眠薬などが使われます。
カウンセリング(認知行動療法)
認知行動療法は、心理療法の一つで、不安やうつなどの心理的な問題を改善するために用いられる方法です。
リラックスやストレス管理の方法を学び、苦手なものに少しずつ慣れていくといったアプローチが行われます。
- リラックス方法を学ぶ
- ストレス管理方法を学ぶ
- 苦手なものに慣れる練習
- 過度な考え方を改める
認知の改善を促すことは、不安障害などの心理的な問題を解決する上で重要な要素となります。
認知行動療法などの心理療法では、認知の偏りを特定し、それを変えることで問題を解決するアプローチが用いられます。
過度な考え方を改めることで、不安や恐怖に対処する力を身につけます。
治療を通じて、ストレスを軽減し、段階的に自信を取り戻すことで、回復につながります。
人によって考え方・受け止め方はちがう
不安緩和に役立つ実践的なテクニック
無理をしない
過度なストレスを避けるために、自分自身に対して優しく、無理をせずに適度に休息をとることをお勧めします。
スマホなどの電子機器を使わない時間をつくる
電子機器から発せられるブルーライトが睡眠の質を低下させ、ストレスや不安の原因となります。
また、情報過多やソーシャルメディア上での比較など、電子機器がもたらす影響がストレスや不安を引き起こすことがあるので、スマホの長時間使用は避けましょう。
軽い運動する
軽い運動は不安障害の改善に役立ちます。
運動によって身体的に疲れたり、ストレスホルモンの分泌が抑制されたりするため、不安の緩和に効果があります。
また、運動によって神経系の活性化が促進され、脳内のセロトニンやドーパミンといった神経伝達物質の分泌が増え、気分を改善する働きがあります。
マッサージをおこなう
マッサージはリラックス効果があるため、不安を軽減するのに役立ちます。
マッサージは、筋肉の緊張をほぐすことで、身体的なストレスを軽減する効果があります。
自分のからだと心をいたわりましょう
また、マッサージ中に分泌されるエンドルフィンと呼ばれる脳内物質は、幸福感やリラックス感をもたらし、不安を軽減する効果が期待できます。
気持ちを落ち着かせる本を読む
本を読むことは、想像力や感性を刺激するため、リラックス効果が期待できます。
また、自分の問題や状況を客観的に見つめることができ、問題解決のヒントを得ることができる場合もあります。
特に、自己啓発書や心理学の本など、自己成長や心理的な側面に焦点を当てた本を読むことで、自分自身のことを深く理解し、不安を解消することができるかもしれません。
また、小説や詩集など、フィクションの世界に没頭することで、現実から離れてリフレッシュすることができます。
わたしたちは、過去や未来のことについて心配するのではなく、今に集中し、現実的な見方をすることが大切ですね。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。