北アルプス南部、梓川界隈には垂れ流しの源泉がいくつもあります。
その中でもひときわユニークな名前と形をした「たこ焼きの湯」は、野趣あふれるロケーションと、まるでタコ焼き器のような湯船が魅力。
今回は、そんな秘湯「たこ焼きの湯」での入湯体験をご紹介します。

野湯・秘湯は興奮するね!

自然にできたたこ焼き温泉
- 有名温泉地は人が多すぎて疲れる
- 秘湯や野湯に興味がある
- ソロでのんびり湯に浸かりたい
- ちょっと変わった温泉に行ってみたい
- 登山やアウトドアが好きな人
- 秘湯巡りが趣味の人
- インスタ映えする珍スポットが気になる人
- 上高地方面へのドライブ・旅行を計画中の人
- 野湯とは?
- どんな風にお湯が湧いているのか
- 入浴時の注意点(服装・場所の見えやすさなど)
- 実際の入湯体験の雰囲気
- 「たこ焼きの湯」へのアクセス
野湯とは?
「野湯(のゆ)」とは、自然の中に湧き出している源泉のうち、整備されていない、いわゆる“野ざらし”状態の温泉のことを指します。人工的な施設がほとんどなく、自然そのままの姿で楽しむ温泉体験です。
たとえば、山あいの川沿いに湧いているお湯、岩の間から流れ出す源泉、森の中にぽつんとある湯だまりなどが野湯の代表例。設備が整っていないぶん、手探りで湯船を探したり、自分で石を積んでお湯をためたりする“探検気分”も魅力のひとつです。
ただし、野湯にはルールやマナーもあります。
・管理者がいないので自己責任での入浴が前提
・自然環境への配慮(ゴミを捨てない、石を動かしすぎないなど)が大切
・入浴中に人の目がある場所では水着を着用するのがマナー
手軽にアクセスできる温泉とは違い、ちょっとした冒険や知識が必要ですが、それだけに得られる癒しや開放感は格別です。
自然と一体になれる、そんな贅沢な体験が「野湯」にはあります。
どんな風にお湯が湧いているのか

「たこ焼きの湯」では、お湯がまさに“自然のまま”の姿で湧き出しています。
湯口らしい湯口はなく、堤防のすき間や古いパイプの穴、岩のすき間など、あちこちからじわじわと熱めのお湯が流れ出しているのが特徴。どこかでドバっと湧いているのではなく、複数の場所から静かに、しかし確かに湯があふれ出しています。
湯がたまっているのは、まるで“たこ焼き器”のようなコンクリート製の穴。これはかつての構造物の一部が残ったもので、たまたまお湯がそのくぼみに溜まって、自然のジャグジーのようになっています。
ひとつひとつの湯船にはそれぞれ違った温度のお湯が溜まり、熱めからぬるめまでバリエーション豊か。流れ込むお湯の量や場所によって、同じ場所でも日によって湯加減が変わるのも野湯ならではの面白さです。
まさに“自然がつくった温泉テーマパーク”。人工物の名残と自然の力が絶妙に合わさってできた、不思議で心地よい空間です。
入浴時の注意事項

水着の着用が基本
湯船のすぐ上には国道が通っており、場所によっては車道や歩道から丸見えになります。そのため水着の着用は必須といっていいでしょう。気兼ねなく湯を楽しむためにも、軽くて乾きやすいラッシュガードや水着を持参しておくと安心です。
周囲の視線を意識しよう
人通りの多い時間帯や季節によっては、道路から見られる可能性もあります。
日中よりは朝や夕方など、少し時間をずらすと落ち着いて楽しめるかもしれません。
誰かと一緒に訪れる場合も、周囲の状況を確認してから入浴しましょう。
足元に注意!
湯船までは整備された道がないため、踏み跡や岩場を頼りに降りていく必要があります。
滑りやすい場所や不安定な足場も多いので、サンダルよりも滑りにくいウォーターシューズなどがあると便利です。
サンダルNG。足元が不安定で滑り落ちないように。ご安全に!
ゴミや騒音には注意を
野湯はあくまでも“自然からの借り物”。
ゴミは必ず持ち帰り、大きな声や音楽なども控えて、静かな環境を保つよう心がけましょう。
最低限のマナーと装備さえあれば、たこ焼きの湯はとても気持ちのいい温泉体験ができる場所。
自然を大切にしながら、楽しく安全に楽しんでくださいね。

特別な温泉体験!
実際の入湯体験の雰囲気

本当にたこ焼きプレートだ!
たこ焼きの湯に到着してまず目を奪われるのが、あの独特な湯船の形。
丸くて深さのあるコンクリートのくぼみが並ぶ様子は、まさに「たこ焼きプレート」そのもの!
思わず「ほんとにこんな形なんだ!」と声が出てしまいます。
もともとは何かの構造物の基礎だったようですが、そこに源泉が流れ込み、ひとりサイズの湯船に。
自然と廃材が融合してできた、唯一無二の野湯です。
場所によって温度が違う
「たこ焼きの湯」の面白いところは、どの湯船も同じ温度ではないということ。
源泉の流れ込み口に近い場所は熱めで、少し離れた場所はぬるめ。中にはちょうどいい“適温”もあって、まるで自分専用に用意されたお風呂のよう。
いくつかの穴を巡って、「今日はここがベスト!」という湯船を見つけるのも楽しみのひとつです。
階段がないので足元注意
この温泉には、もちろん整備された道や階段はありません。
ガードレールの切れ目から河原へと降りる際は、踏み跡をたどりながら岩を伝って慎重に進む必要があります。
足場は滑りやすく、特に雨上がりや雪解け時期は注意が必要。
スニーカーよりは、濡れても平気で滑りにくいウォーターシューズがおすすめです。
油断せず、安全第一でアクセスしましょう。
たこ焼きプレートじゃない温泉が湧き出る場所

たこ焼きの湯には「たこ焼きプレート」の湯船のほか、コンクリートの穴や石の間から湧き出る大露天の湯もあります。
大露天の湯は50~60℃とかなり熱めで、特に夏秋は激熱になります。
筆者が春に訪れた際も予想以上に熱かったです。冬春は適温で入れることが多いので、季節に合わせて温度を確認しながら楽しむのがポイントです。
複数の湯溜まりを試して、自分にぴったりの温度を見つけるのも楽しい体験です。
自然の湯なので、入浴時は湯温や周囲の環境をよく確認し、安全に楽しんでください。
たこ焼き温泉のアクセス・営業時間・料金
アクセス
たこ焼き温泉へのアクセスは、長野県松本ICから車で約50分。
国道158号を経由し、上高地方面へ向かう途中に位置します。
釜トンネル手前に差し掛かると、目的地まであと少し。トンネルを過ぎてから、道沿いに現れるガードレールの切れ目を目印に、徒歩で約5分の距離です。
途中は舗装された道ではなく、岩場や自然の道を進むため、歩きやすい靴を履いて訪れることをおすすめします。
営業時間
たこ焼き温泉は、基本的に自然の中の野湯ですので、営業時間は特に決まっていません。
好きな時間に訪れることができますが、周囲が見渡せる国道からも見えるため、リラックスして入浴したい方は早朝や夕方の時間帯がオススメです。
日中は交通量が多く、見られやすいので注意が必要です。
料金
たこ焼き温泉は、完全に無料の野湯です。
温泉を楽しむための費用は一切かかりませんが、施設が整備されていないため、事前に準備を整えた上で訪れることが大切です。
特に水着やタオル、ウォーターシューズなどを持参して、快適に過ごすための準備をしていきましょう。

安全第一に!
まとめ
たこ焼き温泉は、長野県松本市近郊にある秘湯で、自然の中に湧き出る源泉を楽しめる野湯です。アクセスは松本ICから車で約50分、釜トンネル手前から徒歩約5分の距離にあり、徒歩でたどり着く冒険気分が楽しめます。温泉は無料で、温度や湯船の形がそれぞれ異なるため、自分にぴったりの湯を見つけるのも魅力のひとつ。周囲の交通量が多いため、リラックスした入浴を希望するなら早朝や夕方の時間帯がオススメです。自然の恵みを感じながら、心と体をリフレッシュできる、まさに「隠れた温泉」の体験が待っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。