ウェブサイトやアプリの改善は、ビジネス成果を上げる上で欠かせません。
しかし、改善策を導入する前には、その効果を確認する必要があります。そこで活用されるのが、A/Bテストという手法です。
A/Bテストは、2つのバージョンを比較して、どちらがより効果的かを検証する手法です。
この記事では、A/Bテストの基本的な仕組みや、効果的な実施方法について解説します。
効果的なA/Bテストを実施することで、改善策の有効性を確認し、コンバージョン率の向上や売上アップにつなげましょう。
コンバージョン率の向上
売上アップにつなげる!
ABテストの基礎知識
ABテストの概要
A/Bテストとは、WEBサイトやアプリなどのデジタルマーケティングで広く用いられる、効果的な改善手法の一つです。
A/Bテストでは、2つのバージョン(バージョンAとバージョンB)を比較し、どちらがより効果的なのかを測定することができます。
AバージョンとBバージョンの2つの異なるバージョンをランダムに選んだユーザーに見せ、どちらが優れているかを比較して、より良いバージョンを決定します。
ABテストの目的
ABテストの目的は、ウェブサイトやアプリの改善であり、メリットは以下のようになります。
- ユーザーの行動の理解
ABテストを実施することで、ユーザーの行動を詳しく分析することができます。 - ウェブサイトやアプリの改善
ABテストは、ウェブサイトやアプリの改善に非常に有効であり、改善に必要な情報を提供することができます。 - データに基づいた意思決定
ABテストは、データに基づいた意思決定をするための非常に効果的な手法であり、主観的な意見に基づく意思決定を避けることができます。
ABテストの種類
A/Bテストには、2つのパターンがあります。
逐次(ちくじ)テスト
「逐次(ちくじ)」とは、「順番に」「一つずつ」という意味を持ちます。
例えば、逐次テストという場合には、Aパターンをリリースし、その後にBパターンをリリースする方法であり、それぞれのパターンを別々の期間にテストすることになります。
例えば、Aパターンを1週間テストして、その後にBパターンを1週間テストするといった具合です。
並行テスト
並行テストは、ユーザーごとにランダムにAパターンまたはBパターンを表示し、同時期にテストする方法です。
つまり、AパターンとBパターンを同時にリリースし、ユーザーがどちらのパターンを見るかはランダムに決まります。
この方法は、テストの期間が短くて済み、実験の結果もより正確になります。
ABテストは何を検証するのに向いているのか
ABテストは、ウェブサイトやアプリケーションの改善やマーケティング施策の効果測定に向いています。
具体的には、以下のような項目の検証に使われます。
- ランディングページの改善
- 商品ページの改善
- サイト内検索機能の改善
- メールマーケティングの改善
- 広告クリエイティブの改善
- アプリケーションのUI/UXの改善
これらの項目について、どのような改善がユーザーに受け入れられるか、どのようなアイデアが最も効果的なのかを検証することができます。
また、ABテストは比較的簡単に実施することができるため、マーケティング施策の評価や改善のために広く利用されています。
ABテストのやり方
ABテストの流れは以下のようになります。
- 問題を特定し、仮説を立てる
ABテストを実施する前に、改善すべき問題点を特定し、改善の仮説を立てます。例えば、「商品ページのボタンの色を変更すると、コンバージョン率が上がるのではないか」という仮説を立てることができます。 - テストの設計
次に、テストをどのように設計するかを決定します。具体的には、テスト対象のページ、テストの期間、トラフィックの分割方法、テストする要素の決定などを行います。 - AバージョンとBバージョンの作成
次に、AバージョンとBバージョンの作成を行います。AバージョンとBバージョンは、テストする要素に差異をもたせた2つのバージョンです。例えば、上記の仮説の場合、Aバージョンは現状のボタンの色、Bバージョンは変更後のボタンの色となります。 - テストの実施
AバージョンとBバージョンを用いたテストを実施します。逐次テストの場合は、AバージョンとBバージョンを別々の期間にテストします。並行テストの場合は、ユーザーごとにAバージョンとBバージョンを割り当てて同時期にテストします。 - データの収集
テスト実施中にデータを収集します。収集するデータは、例えばコンバージョン率やクリック率などの指標があります。収集する期間は、通常はテスト期間よりも長めに設定します。 - データの分析
収集したデータを分析し、どちらのバージョンが優れているかを判断します。統計的に有意差がある場合は、優れたバージョンを採用します。有意差がない場合は、テストを再設計することもあります。 - テストの実装
最後に、優れたバージョンを実装します。実装する際は、テスト期間中に収集したデータを元に、より改善されたバージョンを実装することが望ましいです。
以上が、ABテストの基本的な流れです。
便利ツールがおすすめ!
ABテストの便利ツール
ABテストには、ツールを活用すると便利です。ツールを使うことで、テストの作成~アクセス解析までの検証の流れをスムーズに行うことができます。
Googleオプティマイズ
HTMLを作成してテストを実行できるGoogleのサービスです。Googleアナリティクスと連携して使用することができます。無料版は、同時にテストできる数が最大で5個までという、機能制限があります。有料版では長期的にテストを繰り返すことが可能です。
Optimizely
ABテストでよく利用されるツールの1つがOptimizelyです。世界でNo.1シェアを誇り、テストの作成・解析を行うことができます。Webサイトだけでなくアプリでも利用可能で、多角的な解析を行いたい場合に最適なツールと言えます。
ABテストを効果的に行うポイント
結果が出やすい!
目的・ターゲットを明確にする
ABテストの目的や目標を明確に定め、その目的に合わせた仮説を立てることが重要です。
また、テスト対象のターゲットを明確に定め、それに基づいたテストを行うことで、より効果的な結果を得ることができます。
仮説を検証する
ABテストを行う前に、仮説に基づいてどのような変化があるか検証を行うことで、テストの結果をより正確に予測できます。
複数の要素をテストしない
複数の要素を同時にテストすると、どの要素が変化をもたらしたのか判断が難しくなります。そのため、優先順位の高いものから一つずつ要素をテストすることが望ましいです。
十分なサンプル数を用意する
十分なサンプル数を用意することで、統計的な有意性を確認できます。
サンプル数が不足している場合は、テスト結果の信頼性が低くなる可能性があります。
継続的な改善を行う
ABテストは1回限りのものではなく、継続的に改善を行うためのツールとして活用することが望ましいです。
テスト結果を分析し、改善点を見つけ出し続けることで、より良いウェブサイトやコンテンツを作り上げることができます。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。